クマザサ

クマザサの胃潰瘍と抗炎症作用

 クマザサはその抽出エキスが医薬品にもなっており、疲労回復、食欲不振、口臭、体臭除去、口内炎などの効能が認められていますす。特にクマザサの口臭や体臭除去などは、医薬品としてはユニークな効能ですね。

クマザサの活性酸素除去

クマザサのエキスには、この活性酸素を強力に消去して炎症を鎮める働きがあります。
国際フリーラジカル学会で山形県にある生物ラジカル研究所が報告した論文によりますと、試験管内でフリーラジカルを発生させてそこにクマザサエキスを入れると、活性酸素・ヒドロキシルラジカル・脂溶性ラジカルの三種類のフリーラジカル全てが100%消去されました。

クマザサで胃潰瘍修復

昭和大学医学部第一薬理学教室で行われた、ストレスを与えたマウスに胃潰瘍を発生させる実験では、クマザサエキスを与えたマウスの胃粘膜の出血痕は、水だけ与えたマウスが30箇所あったのに比較して、出血痕は半数以下に減少しました。

このようにクマザサエキスには活性酸素を消して炎症を抑える働きに加え、粘膜保護作用や止血作用があり、これらの働きの相乗効果で、胃の粘膜にできた潰瘍を強力に修復していると考えられています。

以前は胃潰瘍の原因は、胃酸であるといわれてきました。
しかし、治療薬である制酸剤、H2ブロッカー、プロトンポンプ阻害剤などを長期間服用して、胃酸の分泌を抑制すると、さらに交感神経の優位になるという悪循環に陥り、胃潰瘍が治りにくくなります。
加えて、胃酸が分泌されなくなりますので胃の中の酸性度が低下し、ヘリコバクター・ピロリが増殖し易い環境を作ったり、本来胃酸で死滅するはずの細菌(O-157など)が生き残り、感染性の胃腸炎などを起こし易くなるので、安易な服用は慎むべきなのです。

本内容は、大阪府堺市 三砂堂漢方 三砂雅則が解説いしました。
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