新型コロナウイルス感染症BCGの効果は?

BCGとマイクロバイオーム
BCG接種国では新型コロナウイルスの発症率、死亡率が低いことが世界的に注目を集めています。日本では1951年からBCG接種が義務付けられていますが、日本の新型コロナウイルスの感染者数、死亡者数が欧米諸国に比べて例外的に少ないのはBCG接種によるものではないかと、専門家からも関心がもたれています。

この理由について、BCG接種を受けた人は自然免疫が訓練されており、ウイルスに対する抵抗性が高い可能性があると言われています。しかし一般的にはワクチンの免疫賦活効果はせいぜい10年以内とされています。もし、新型コロナウイルスとBCGとの間に関連があるとするなら、数十年前にBCG接種を受けた人もその恩恵を受けていることになります。この説明をどうすればいいのでしょうか?

マイクロバイオームでのBCG効果の説明

前回もお話ししました、マイクロバイオーム考え方では、新型コロナウイルス感染症に対するBCGの効果を説明できるかもしれません。
ヒトのマイクロバイオームはほぼ3歳までに完成し、生涯に渡り大きくは変わらないと言われています。乳児期に抗生物質など抗菌薬が投与されますと、マイクロバイオームが変化してしまい、その影響は生涯続きます。このマイクロバイオームの変化が、成人になってから様々な疾患を起こすことは、マイクロバイオーム学が明らかになっています。
そのため、乳児期のかぜ、発熱などでの安易な抗菌薬投与は控えなければならないのです。逆に、乳児期にBCG接種を受けたことでマイクロバイオームが変容し、それが生涯続くと仮定すれば、「新型コロナウイルス感染症の罹患の少なさはBCG接種によるもの」説は説明できるかもしれません。
マウスモデルの研究ではありますが、抗菌薬がマイクロバイオームの変改を通じて肺などの炎症を押さえ込むとの報告もあります。
私たちが今すぐできる、マイクロバイオームの着実な修飾方法として、食事の工夫(野菜や自然発酵食品などの摂取)ですね。

JCHO東京山手メディカルセンター呼吸器内科部長 徳田均先生は、以下のように主張しておられます。

本稿を通じて私の主張したいことを以下にまとめる。
COVID-19は8割の人においては軽症のウイルス感染症に過ぎない。2割の人で免疫が適切に応答せず、ウイルスの増殖が続き、免疫の過剰応答(サイトカインストーム)が起こることが問題なのである。従ってCOVID-19医療の一つの要点は、感染した人が第2相、サイトカインストームに移行するのをどうやって防ぐかにある。そこにはマイクロバイオームと一体になった宿主免疫の複雑な応答が関与している可能性があり、そこを明らかにしてマイクロバイオームの修飾を通じて過剰な免疫活動を抑えるという観点からの治療方法の模索をもっと展開していくべきだと考える次第である。

上記内容は、下記のURLで原文を下に作成しました。
2020/05/14付け日経メディカル Online緊急寄稿 ある呼吸器内科医の仮説「COVID-19重症化の謎とマイクロバイオーム関与の可能性」
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202005/565493.html