眼を酷使する現代人、高齢化で増える眼の病気

年齢階層別白内障患者推移 高齢化社会を迎え、白内障、緑内障、黄斑変性症など、眼の病気が今、増加の一途を辿っています。
又、パソコン、スマートフォン、タブレットなどのIT機器の普及によって眼を酷使し、ドライアイや眼精疲労を訴える人、ブルーライトの影響で網膜に負担が掛かる人が増えています。
そして、受験やテレビゲーム等による夜ふかしで生活習慣を乱し、その上不規則な食生活によって胃腸に負担をかけて、近視が進む子供たちも増えています。
これらのことを考えますと、眼の病気は、これから益々増加していくものと考えられます。

現代人は眼を酷使させることが多くなり、その上不規則な生活や片寄った食事などで内蔵に負担をかけ身体を疲れさせて、一層眼に悪影響を与えています。
そして、眼は「五臓六肺の精気の集る所」と漢方で言われるように、内臓の影響を受けています。
眼の苦情を改善するには内臓、特に胃腸の働きを良くすることが必要です。

どんな病気?眼の病気

人間の五感(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚)は我々にとっていずれも大切です。その中でも視覚は、感覚情報の75%を占めており、まわりの環境と接触していく上で重要な働きを担っている器官の一つです。
この視覚こそ眼の働きそのものですが、この眼に苦情が出ると楽しい生活を送っていく上で大変不便を感じます。
また、不快感も大きいものです。
そこで、知っておくべき眼の病気についてこれから紹介しましよう。

眼の構造

眼の構造

眼の働きを視機能といい、この視磯能には、視力、視野、色覚、光覚、屈折、調節、両眼視、眼球運動などな面ります。
これらの機能か乱れると、視力が低下したり、色の見え方がおかしくなったりする等の見え方に関係した苦情が出てきます。
また見え方に閔係しなくとも、充血する、目ヤニが出る、コロコロする等の不快な苦情が出てくることもあります。
このような苦情(眼の病気)は、眼の働きを司る眼球の名部分(上図)の異常によって引き起こされます。

眼の病気

  • まぶたの病気 → 麦粒腫(ものもらい) など
    涙器の病気 → 
    涙液分泌能低下 など
    結膜の病気 → 
    結膜炎(細菌性、アレルギー性等)など
    角膜・強膜の病気 → 
    角膜ヘルペス など
    ぶどう膜の病気 → 
    ぷどう膜炎 など
    水晶体・硝子体の病気 → 
    白内障 など
    眼圧の異常 → 
    緑内障 など
    視神経の病気 → 
    視神経炎など
    網膜の病気 → 
    糖尿病性網膜症 など
    視機能の異常 → 
    近視 など

参考 【ぶどう膜】
眼球の表層には強膜があり、その内側には脈絡膜がありま す。
この脈絡膜は血管に冨んだ層になっていて、脈絡膜の更に内側にある網膜に血液や酸素などを供給しています。
脈絡膜は目の前方の方は厚くなって毛橡体となり、更に前方に虹彩がのぴています。この虹彩、毛様体、脈絡膜というひとつづきの組織を合わせてぶどう膜と呼んでいます。

現代医学では眼の病気をこう考えます

現代医学では眼の病に対し、症状に応じて点眼薬や内服薬、または手術を行なう処置をとります。
これらの中でも、一般的な治療法である点眼薬(目薬)についてお話ししましよう。

目薬

目薬は、直接目にさすことによって、主に目の前部(虹彩、毛様体など)や結膜・角膜などの部分に働く薬です。
そして、目薬には下記のような働きのある成分をよく使用します。
目薬の分類とその働き

【注意!】
目の充血を取る血菅収縮剤の入った目薬を安易に長期連用しますと、血管収縮の反動でかえって目の充血を悪化させたり、角膜に傷をつける原因にもなります。
また、コリン作動薬の副作用に結膜炎や眼病、副腎皮質ホルモン剤の副作用に緑内障があり、長期便用には注意が必要です。

漢方薬の世界では、眼の病気対策をこう考えます

昔なら「目は心の窓、からだの窓」と言われ、漢方薬の世界でも「眼は五臓六厨の精気の集る所」と言われる位、内臓といった臓器の働きの乱れが眼に出てきます。
こんなことなら、眼の病気の改善に内服の漢方薬を昔から用いてきました。
臓器の働きの乱れを整え、眼の病気の改善に利用される漢方薬についていくつなの薬方を紹介しましょう。

 ものもらい → 赤色に充血 → 漢方薬:葛根湯・防風通聖散・十味敗毒湯・黄連解毒湯…等
→ 紫色に充血 → 漢方薬:桂枝茯苓丸・桃核承気湯…等

ただれ目 → 赤色に充血 → 漢方薬:葛根湯・十昧敗毒湯…等

涙  目 → 赤色に充血 → 漢方薬:小青竜湯・越婢加朮湯…等
→ 紫色に充血 一 漢方薬:当帰芍薬散…等

【注意!】
眼の病に使用されるこれらの漢方薬は、体力の充実した胃腸の強い人向きの漢方が多い様です。しかし、昔の人と比べると現代人は比較的体力がなく、胃腸の弱い人も多く、こんな人には不向きなことが多いものです。

胃腸の弱い現代人向け眼の病気の漢方薬

比較的体力がなく、胃腸も弱っている現代人の目の病気を考えて作り出された漢方薬の処方の一例を示します。

下は、消化器系(胃や腸)の不良水分を除き、身体の辛い苦情を楽にする漢方薬の構成生薬です。
消化器系の不良水分を除く漢方薬の構成生薬

 下は、炎症を取り除き、眼など身体の苦情を起こす根本的な体質を改善する漢方薬の生薬構成です。
炎症を取り除き、眼の苦情を除く漢方薬の生薬構成

これらの漢方薬の生薬を組み合わせることで、現代人向け眼の病気に対応した漢方薬が出来ます。

(注意)
薬局製造医薬品として厚生労働省で認められている漢方処方の配合比や、構成生薬を変更することは、無許可医薬品製造に当たり、法律で厳しく罰せられます。上記の内容の漢方処方は、一般用医薬品として厚生労働省の許可を受け製造されている漢方処方です。

漢方薬解説